本実験においては 表3に示すように、 ユーザは表示中の画面に含まれる語彙を多く用いて 発話をする一方、すでに表示された画面や、表示画面から リンクされた画面(先読み可能な画面)に含まれる語彙を あまり用いていない。
この結果は、表示画面の先読み範囲に含まれる語彙をユーザに喋らせる、 という操作は必ずしもユーザにとって直観的であるは限らない、 ということを示すと思われる。
ユーザが過去に表示された画面を再度参照する場合には、 類語を用いたり、曖昧に記憶している数字を「48000」ではなく 「5万くらいのところ」などと発話するようなケースが多く見られた。 また、操作発話としては、 画面内の語彙を直接用いるのではないが、 画面内の位置関係に基づく項目の指示表現 (「上からn番目」「その右」など)などが多く用いられた。
音声ネットサーフィンにおいて ユーザの手順連想容易性を高めるためには、 これらのユーザ発話を含めた幅広い語彙を受け付ける ことが必要であると考えられる。