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1 はじめに

インターネットの普及により、膨大な情報から求める情報を 効率的かつ快適に検索できるシステムが求められている。 すでにウェブ情報を人手によって体系的に分類した ディレクトリサービス gif や、 Indexing Robot を用いたキーワード検索システム gif が実用化されており、これらを用いることにより、 世界中の多種多様な情報にアクセスすることが 可能になりつつある。

しかし、 ユーザの要求が主観的なものである場合、 これらのシステムが提示する情報が 常に個々のユーザの要求を満たすとは限らない。 一般にユーザは、 得られた検索結果を元にキーワードを追加・修正したり、 複数の検索結果を比較しながら適切な情報を選択していく ことが多い。 そこで、 ユーザと各種のウェブ検索システムの間を 仲介するような形態で ユーザの問題領域に応じた情報検索支援を行う ことができれば、これら情報システムが さらに有効に機能すると考えられる。 このような立場に基づき、 我々は既存の WWW サーバと ユーザの仲介者として 音声によりネットサーフィン支援を行うシステムを 構築している[1][2]。

特にウェブ閲覧に音声入力を用いることの利点として 次の2点が期待される。

  1. 音声コマンド語彙の生成において、 過去に表示された画面や、表示中の画面からリンクされている 画面の情報を用いることで、 音声によるショートカット操作を提供することが可能となり、 ブラウザ操作を効率化できる[3]。

  2. 音声を用いることで、よりユーザが連想しやすい手段で ユーザの要求を仲介システムに伝えることができる。

本稿ではまず、ウェブブラウザが持つ操作体系に 音声コマンド操作を付加するにあたって 我々が配慮する事項を述べ、 構築中の音声ネットサーフィンシステムの 設計方針を示す。 次に、音声によって上記の利点がどの程度もたらされるかを 検証するために行った模擬対話実験について述べる。 最後に、これらの実験結果を元に上記の利点に ついて検証を行い、 構築中のシステムに反映させる手法について述べる。



Nishimoto Takuya
1998年03月01日 18時24分10秒